「超」整理法

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

「超」整理法 野口悠紀雄

「情報を分類できる」との考えは、錬金術を求めるようなもので不可能の追及。約束の地は存在しない。それは幻影に過ぎない。(p17~18)→現実に色々と試してきているが著者の言うとおりいままで失敗の連続であった。多くは図書館式、索引の作成のなどを行ったが私自身、必要な時に必要な情報を取り出すことをいつも失敗してきている。

完璧で美しいシステムを作る必要はない。目的は検索であり、分類整理はそのための手段の一つにすぎない。余計な労力を使わずに、仕事の流れの一環として半自動的に処理できるようなシステムでなければ機能しない。(p21)→どこかに複雑でなければならないという思いは確かにあった。複雑であることがカッコイイと思っていた。

分類せずに検索する。唯一のキー=時間軸
すべての情報を時間順に並べ、時間軸をキーに検索を行う。
アリアドネの糸 (ギリシャ神話)にたとえることができる。
クレタ島ミノスには牛頭人身の怪物ミノタウルスが住んでいた。英雄テセウスが退治に出かけるときミノス王の娘アリアドネが迷宮ラビュリントスから脱出する方法、入口に糸を結んで、迷宮から脱出するという方法をテセウスに教えたというエピソード

情報は「どの項目に入れるべきか」「分類できないものが膨れ上がる」「誤った項目に入れる」「どの項目に入れたか忘れる」問題が出てくる

ポケット一つの原則(p32)
情報元を一つにする。「存在定理」が証明できる。他の場所を探さなくてよい。検索をその場所一つに限定できる。
もし見つからなければ、誤った判断に基づいて捨ててしまった。その書類はもはやどこにも存在しないことが証明できるのである。

場所に関する人間の記憶はあやふやだが、対照的に時間順に関する記憶きわめて正確。

押し出しファイリングシステム
使ったものを一番最初に持ってくるということを繰り返す。時間というフィルターで濾過し、いらなくなった書類の廃棄可能性を判断しやすくできる(p48)

でたらめさを表す指標を物理学では「エントロピー」というが、従来の分類法ではこればどんどん増大する(p49)→分類が崩壊していく

例外なく収納していく、そして徐々につまり使いながら、時間順に並んでいく。

ギリシャ神話にでてくるシジフォスは神の罰によって岩を山の上まで運び上げるのだが、頂上に達したとたんに岩はころげ落ち、かくして彼は無限に同じ苦労を繰り返す(p73)

以上は紙書類ついて

パソコンを用いた方法

強力な検索機能を持っているのでハードディスクを一つのポケットにする。
ただし、パソコンは壊れることがあるのでバックアップは非常に大切。

現代においては非常に強力となった。

ウインドウズ付属の検索
グーグルディスクトップなどの使用

従来の整理方法では情報をストックとして扱っている。つまり、将来に向かって価値が減少することについて重視していない。したがって「いかに保存するか」に重点があり、「いかに捨てるか」は副次的なことになっている。情報は生まれ消えるもの一定の寿命を持ったフロー量であると考える必要がある。(p149)

アイディア製造システム
アイディアは何もないところに突然現れたのではなく、潜在意識化で着実に思考が進んでいた。何かのきっかけに意識が顕在化した時に、外から見ると、たまたまアイディアが生まれてように見えただけである。重要なのは、きっかけではなく、問題に真剣に取り組んでいたこと(p176)

「意識的活動」によって問題を頭の中にインプットしておくと「無意識的活動」によってそれが処理され、何かの機会によって解答として外に出てくる(p181)→自身の経験としてランニングをしているときに出てくることがある
「頭の中にぎゅうぎゅうに詰め込んで、揺さぶると、何か出てくる」→自分自身との無意識の対話

書く作業で最も難しいのは「始めること」イナーシャ(慣性)が大きい。パソコンの柔軟な編集機能の助けでこのバリアを突破しよう。

現代におけるメモはコンピュータ処理の前段階。アイディア捕獲の第一手段。編集の容易さよりも紛失防止を徹底する。メモを取った後、早く電子化する(p194,196)→A6ノートに記入後電子化するようにしよう。

遊びの時間はもともと与えられるものではない。窮屈なスケジュールの中から作り出してこそ、価値が実感できる。