続「超」整理法・時間編 野口悠紀雄

続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 (中公新書)


人生の目的を把握することが時間管理の基礎の基礎。
正しい方向を向き、大局において誤らないことが、何よりも大切。p8
ゴールを設定し、ゴールから逆算することによって時間を有効に使える。

タイム・マネジメントの三要素
スケジューリング
時間節約
時間増大

人間は7個以上の案件を一瞬のうちに把握することはできない
時間は目に見えず見えるかすることが重要。
解決策は時間と仕事を一覧できるように工夫すること。

todoボード
数週から数か月単位のtodoリスト→gmailでメールしカレンダーへ転送、期限も入れられる。ボードで俯瞰できる

すぐやるメモ
一日のうちで行うべき案件
メモ用紙やポストイットで行う→グーグルのtodo、青手帳など

スケジューリングの基本は自分の持ち時間となすべき仕事を「目に見える」形で把握すること
数週間が見渡せるスケジュール表
仕事の配置を示すtodoボード
その日の仕事を示す「すぐやるメモ」 p49

仕事の進め方5大原則

第一の原則
仕事を進めるうえで重要なのはひとまとまりの仕事を中断せずに仕上げること。多くの仕事は中断すると再開するのに時間と手間がかかる。 p52
「中断シンドローム」が発生する大きな原因は人間の短期記憶容量が少ないため、記憶をいつまでも保持していられない。
中断しない時間帯を確保する。スケジューリングの目的はここにある。

第二の原則は「仕事は、発生したその場で片付ける」
発生した案件についてはとりあえず応急処置を施す。
すべてをこなすことはできないが、将来の自分にわかるように引き継ぎをおこなう。p55

また、2分以内で処理できるものならやってしまう

第三の原則は「拙速を旨とせよ」
とりあえずの目標となる「ある段階」、「他人が見て分かるところ」まで進めておく。これは最低限。標語的には「完璧の状態の8割」
完璧に準備が整ってから始めるのではなく、とにかく着手する。
一般に仕事の全過程において最も難しいのは「始める」こと。 p58

第四の原則
時には寝かせる
ある程度寝かせることにより、潜在意識のレベルで思考が継続し、その結果、仕事が自動的に進むことがある。寝かすことにより発酵させる。これにより、思わぬアイデアでる。
いったん寝かせてから戻ってくると他人の目になりやった仕事を他人の目で客観的にみられるようになる。「窓際シンドローム」発生しているとこの効果が発揮できない。 p60

第五の原則
不確実なことを先にやる
重要度が同じであれば所要時間が不確実な案件を先に処理する。

スケジューリングのための上でのヒント
日誌をつけて未来を予測する。
自分で期限を切る、他人との約束などで人為的な締め切りを作る。
関係者にスケジュールを知らせる。
ポケット一つの原則でダブルブッキングを防ぐために予定表を一つに限定する。

予見できない事態への対応

予見できない事態に対する事前の処置

未来は予見できないので、予備日、予備時間を多めに見積もっておく。
3か月以上の予定は立てない。

限界効用逓減の法則
一敗目のビールはうまいが続けて飲むとさほどではなくなる現象とおなじ。

いくつかの対象の限界効用が等しくない場合には、限界効用の高い対象に資源を振り返ることによって、全体の効用を高めることができる。
拙速原則はこの法則の応用
つまり、一つの仕事に拘泥していると、限界効用が低下してしまし、非効率的な時間配分になる。
人為的に締め切りを設定して、時間の制約を厳しくするのも限界効用逓減の法則の応用である。時間の制約が厳しい場合には使われる時間の限界効用は高くなっている。 p81

連絡時間の無駄をなくす

電話の問題点
仕事が中断、受け手の態勢ができていないところにかかる、知りたいことがわからない、相手が捕まらない、「いった、いわない」の問題が発生、言い忘れ、聞き忘れ、早合点のミスが起きる。 p126

本文ではファックスを連絡手段とせよ。メリットがあると書かれているが、現状ではメールがその代わりになる。
受信メールを事務処理に使える。
予定表が自動的にできる
記録が残る。

動物の記憶メカニズム
野生動物は、日中刻々と入ってくる情報を、当面の一貫性を保てる範囲で無分類、時間順で保持する。そして、外敵のいない夜の間に、脳がこれらを意味づけ、取捨選択して、必要なものを長期記憶に転記する。この過程で転記されないものは忘却により消去される。

京都大学霊長類研究所 沢口俊之によれば、人間のワーキングメモリは7個しかない。p187

時間を増やす技術
時間価値が高まれば、出費を惜しまずに投資することが有利な場合が多くなる p197

IT技術やクラウドなどは現代において投資すべきもの
IT技術の活用で無駄な時間が削れれば、時間を生むことができる。


時間は無償で取引されている。
時間を買うには金が必要だし、部下を雇うには地位が必要。
これらがなければ、時間を分けてもらう。
最も効果的なのは「教えてもらう」こと。

シャーロックホームズは「知りたいことを聞き出すこつは、こちらのいうことに異議を唱えさせること」つまり、「真実を伝えたい」という人間の本能を刺激する。p198

不要な情報の見分けたか
受け身の文体「・・・といわれている」「・・・と考えられる」
内容に関して責任は取りたくはないという潜在願望の表れ。

「私は・・・と考える」と責任の所在を明記してある文章は読む価値がある p206

出先時間、移動時間、待ち時間
すきま時間ができる。すきま時間というよりは誰にも邪魔されない貴重な時間。動く書斎と考えよう。
アウトプットや普段だったらやる気ないならないことをやる。面倒な原稿など、気になりながらなかなかはじめられない仕事の取り掛かりを作る。p210