スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

1.構想はアナログでまとめる
箇条書きは諸悪の根源
聞き手に訴えるのはスライドではなく、ストーリー
パワーポイントを開く前にストリーを作る
アナログで書く、アイデアは紙に書く→簡単な絵をかく→スライドを作成する

生き生きとしたプレゼンテーションとするために以下の9つの要素をなるべく取り入れる
ヘッドライン:訴えたいことを短く、印象の残る文章で。1スライド1メッセージ
パッションステートメント:熱意の文章
3つのキーメッセージ:聞き手は3つくらいしか記憶できない
アナロジー:異なる二つを比較しその類似性を際立たせる「マイクロチップはコンピューターの頭脳です」、メタファー:本来は別のものを表す言葉で何かを表現し、両者を比較するもの「僕にとってコンピューターというのは、人類が考えた最高のツールだ。自生の自転車といったところかな」
デモ
パートナー
実例
ビデオクリップ
小道具

2.一番大事な問いに答える
聞き手は撫でこのプレゼンに注意を払うべきなのかを自問すること。終わった時に聞き手に覚えておいてほしいポイントを一つだけ挙げるとしたらなんだろうか。メリットはなんなのかをはっきりさせる
選んだポイントを明快に伝える。プレゼンテーションが終わるまでに少なくとも2回は伝える。バズワード(一見専門用語のように見えるがそうではない、明確な合意や定義のない用語)やジャーゴン(専門語。職業用語。訳のわからない言葉)はなくす

3.救世主的な目的意識を持つ
聞き手がどう次の診療に役立てるか?本物の情熱を自覚できたらそれをみんなに楽しく伝える
自分だけのパッションステートメントを作り、なぜ心から真剣にそうしているのかを、一文にまとめ相手に伝える
世の中をよりよくしたいという熱意が違いを生む

4.ツイッターのようなヘッドラインを作る
製品、サービスなどのビジョンを1文で表すヘッドラインを作る。簡潔で具体的、受け手のメリットを示す
プレゼン、スライド、パンフレット、資料、ウェブサイトなどで同じヘッドラインを繰り返し使う
話し手にとっての未来ではなく、聞き手にとってのよい未来を提案する。

5.ロードマップを描く
聴衆に知ってほしいと思うポイントをすべてリストアップする
リストを分類し、主要メッセージが3つとなるまで絞り込む。これをロードマップとする
3つのキーメッセージ、それぞれについて、効果を高める部品を用意する。体験談、事実、実例、アナロジー、メタファー、推薦の言葉

6.敵役導入する
プレゼンテーションの早い段階で、敵役を導入する。解決策を提示する前に、必ず問題を提起する。問題提起は、聴衆が痛みを感じる部分を鮮明に思い描ければ簡単に行える。「なぜこれば必要なのか」と自問すれば問題は提起できる
時間を割いて問題を詳しく説明する。聴衆に実感を持ってもらう。痛みを強く感じてもらう
忘れてならないのは、人々が気にするのはあなたの製品ではなく、自分の問題を解決すること

7.正義の味方を登場させる
現状を描写し、それがどうあるべきなのか、自分のビジョンを紹介する
ユーザーが痛みを感じるポイントをはっきりさせて敵役としたら、自分の製品、サービスがどのような形で痛みをやわらげてくれるかをわかりやすい言葉で説明する
「正したいと思う問題に対して情熱を持っていなければ最後まで頑張りとおせない」

8.禅の心で伝える
箇条書きを避ける。特にプレゼンテーションのスライドでは。書類、電子メールなど読まれることを前提の場合は使用してもよい
1枚のスライドは一つのテーマに絞り、それを写真や画像で補強する。
見た目が美し良いスライドが作れるように努力する

ビジュアルな情報と音声による情報は脳の異なるチャンネルで全く違う処理が行われている。言葉ではなく絵で考えを表現したほうが記憶に残るプレゼンテーションとなる。

9.数字をドレスアップする
プレゼンテーションの中核となるテーマには、それを支持するデータを用意する。どの数字を使うのかをよく考えること。数字を出しすぎると聞き手が嫌になる
データは具体性、異議、文脈性が大事である。言い換えると、数字を聞き手暮らしに密着した文脈におくことが大切
アナロジーなどの手法で数字をドレスアップする。

10.「びっくるするほどキレがいい」言葉を使う
コピー文句をすっきりさせる。繰り返しをなくし、バズワードをなくし、ジャーゴンをなくす。直して、直してさらに直す。
言葉で遊ぶ。大げさな言葉や写実的な形容詞を使ってもよい。
アナロジーを使う。自分の考えや製品を聞き手がよく知っているコンセプトや製品と比べる

11.ステージを共有する
新しい製品やサービスを発表する前に、顧客に試験をしてもらい、コメントをもらう。
ビデオに撮ってプレゼンテーションの際に流すのもよい
公の場で社員やパートナー、顧客に感謝する
 
12.小道具を上手に使う
計画段階からデモを組み込む
デモは全力で行う。全力でやらなければジョークは決まらないとプロのコメディアンは言う
目から吸収する人、耳から吸収する人、体から吸収する人という3種類のタイプすべてに対応する

13.「うっそー!」な瞬間を演出する
「うっそー」な瞬間を作りこむ。画期的な発表である必要はない。体験談を話す、新しい情報や予想外の情報を提供する。人というのは美しい瞬間や感動的な瞬間が大好きな生き物だ。そういう瞬間をプレゼンテーションに作りこむこと。予想を大きく外せれば外せるほどよい。
感動の瞬間に向けた筋書きを作る。十分に盛り上げてから爆弾を落とすこと。聴衆がびっくりして後で話題にするような瞬間を用意する。
爆弾投下をよく練習しておくこと。練習不足で不発に終わらせてはもったいない。明快、完璧、自然にできるようになるまで練習する

14.存在感の出し方を身につける
体が発するメッセージに注意を払う。アイコンタクトを保つ、開いた姿勢を取る、必要に応じて身振り、手振りも活用する。思い切って手を使うこと。しぐさというのは複雑な考えを反映するもので、適切な仕草は自信の表れだと感じられることが研究によって確認されている
抑揚をつける、声を大きくしたり小さくしたりする、しゃべるスピードを変えるなどして、しゃべり方に気を付ける。間によってコンテンツに一息つかせることも大事である。上手な間ほど話を盛り上げるものはない。
自分が喋っているところを録画して見る。体が発するメッセージを感じ、しゃべり方を確認する。プレゼンテーションのスキルを高めるには、ビデオで自分の姿を見るのが一番である。

15.簡単そうに見せる
練習あるのみ。スライドを1枚1枚、デモを一つ一つ、キーメッセージ一つ一つ確認する。何を言うのか、いつ言うのか、どのように言うのかを体が覚えてしまうほど練習する
自分のプレゼンテーションを録画し、聞き手の注意をそらすボディーランゲージや口癖、つなぎの言葉がないか探す。他人の評価ももらう
厳しい質問への対応はバケツ方式で用意する。7種類のカテゴリーを用意すれば、ほとんどの質問には対応できる。

16.目的にあった服装をする
今の立場ではなく、こうなりたいと願うリーダーと同じような服装を選ぶ
場の文化に即した服を着る

17.台本を捨てる
基本的にメモは使わない。使うのはデモのように順番に何かしなければならない場合にとどめる
どうしてもメモが必要なときは、1枚に3点から4点を大きなフォントで箇条書きにする
ソフトないのノートを使い場合も、3店から4点の箇条書きにまとめる。できれば一つに絞れればそのほうがよい
スライドの映像をヒントとして、主なメッセージを1スライド1テーマという形で話す。

ノートにしゃべる内容を文章で書く
その文章中のキーワードをハイライトないしアンダーラインを引いてからプレゼンテーションの練習をする
キーワードだけ残して台本を削除する
スライドごとに一つのキーアイデアを頭に叩き込む
メモなし、スライドのみをプロンプターとしてプレゼンテーションの練習をする

18.楽しむ
プレゼンテーションを「インフォテイメント」だと考える。聞き手は学びと娯楽、両方を求めている。自分も楽しもう。そうすれば段々に違いが生まれる
失敗してもあやまらないこと。うまくいかないことがあったらさっさと認め、にっこり笑って次へ進む。自分にしかわからないミスなら触れずにおく。
計画通りに生きないことがあっても、自分がプレゼンテーション全体を台無しにしない限り「失敗」ではない。全体を意識して、小さな事に気を病まない。そして自分も楽しむこと。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則