失敗の本質 野中郁次郎 他

 

24.日本軍には本来の合理的組織となじまない特性があり、それが組織的欠陥となって大東亜戦争での失敗を導いたと見ることが出来る

67.囲碁をするものが下手とばかり手合わせすると手が落ちる

 

 

戦略がなかった。グランドデザインがない

指導部と現場の認識が違う。現場の意見を聞かない

 

主観的で「帰納的」な戦略策定 空気の支配

 

288.事実を正確かつ冷静に直視するしつけをもたないために、フィクションの世界に身をおいたり、本質に関わりない細かな庶務的仕事に没頭することが頻繁に起こった。

293.戦略は進化すべきものである。進化のためには、様々な変質(バリエーション)が意識的に発生され、そのなかから有効な変異のみが生き残る形で淘汰が行われて、それが保持されるという進化のサイクルが機能していなければならない

409.環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革することができなかった。戦略的合理性以上に、組織内の融和と調和を重視し、その維持に多大のエネルギーと時間を投入せざるを得なかった。このため、組織としての自己革新能力を持つことができなかったのである。

 

組織内の空気の支配、融和と調和を重視する日本的な組織が合理性に欠ける戦略を生み出した。現代の組織も同じ事が言える。指導部と現場の認識が違う。現場の意見に耳を傾けない。グランドデザインがなく後手後手の対応になる。戦後約68年経ったが未だ大きな変化がないと実感できる。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)