川島良彰:コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか

 
19.コーヒーはフルーツ。その認識が世間、コーヒー関係者にも希薄
21.コーヒーは本来、酸味を味わうもの
50.代表的な欠点豆の特徴は、変色して黒くなった黒豆は風味に影響する。未成熟豆は渋み、虫食い豆や中が空洞の豆は雑味の原因となる
51.粉にしてしまえば何を使っているかわからない。粉で販売しているものには低級品が使われる
116.酸味とは、古くなった豆や再加熱したコーヒーの酸化(酸っぱさ)とは異なるもの
120.一般に販売しているドリップバックタイプのコーヒーは、コーヒー豆を焙煎し、一日おいて粉砕。さらに一日おいてガスを抜いてからパッケージングするためにパッケージ資材の品質にもこだわらなくてすむ上、ふくらまないので取扱が非常に楽。しかし、これではガスが抜け香りが軽減してしまう。
123.コーヒーの味と香りは、素材の力で8割が決まってしまう。真空パックで売られているものは、焙煎後の豆の炭酸ガス放出を抜いてからパックしているので、コーヒー本来の香りを逃がしてからパッケージしているのでお勧めしない
124.挽いた粉を茶こし入れに入れ、軽く微粉をふるい落としてから抽出するとよい。嫌な酸味や苦みはどんなコーヒーも持っているが、微粉はその成分がでやすい傾向にある。それを抽出前に予め取り除くことが重要
125.コーヒー豆を量るときは、計量スプーンではなく、はかりでしっかり重さを量る。豆によって密度が異なるため、同じ体積でも重さが異なる
126.コーヒー豆の量。1杯(150ml)の時は、20g、2杯(300ml)の時は36g、3杯(450ml)のときは、48gを目安とする。
143.時々のシーンや場所に相応しいコーヒーを、品質に見合った価格で提供することが重要
153.コーヒー豆は、ピークの開花で生まれたチェリーが最も良い。初摘みコーヒーには余り価値がない
167.ジャマイカのブルーマウンテンは甘み、ハワイのコナは酸味、スマトラのマンデリンは苦みのコーヒーの代表格
184.セブンイレブンや、不織布を使用したドリップ式、ローソンとファミリーマートはエスプレッソ方式。なかでも酸味を抑えているのはファミリーマートで、ローソンはちょっと苦みがある
 
コーヒー業界は利潤のみを追求し、価値を付けることを怠ってきた。価格以外の付加価値を付けて販売し、それを世間にもわかってもらう必要があるし、コンビニコーヒーが広がり裾野が広がった今だからこそその価値を伝えるチャンスでもある。価格だけではない市場がおおきくなって、成熟し、もっと選択肢を広げる