田坂広志:人間を磨く

 
14.知識とは、風船のごときもの 風船がふくらめばふくらむほど、外界と接する表面積が増えていくように、知識が増えれば増えるほど、道と接する表面積が増えていく。
人間の成長も、風船ごときもの 人間として成長すればするほど、人間として目指すべき高みが見えてきて、自分の未熟さを痛切に感じるようになる
30.自分の中の「我欲」や「私心」「小さなエゴ」をただ静かに見つめるという、成熟した心の技法を学ばなければならない
36.自分の中に「様々な人格」を育て、それらの人格を場面や状況に応じて適切に使い分ける。小さなエゴ(嫉妬心、虚栄心など)は捨て去ろうとするのではなく、静かに見つめること
50.密やかな驕りと無意識の傲慢さを伴った「優等生意識」が、人の心を遠ざける
51.人は、自分の非を認めず、欠点を認めず、自分には日がない、欠点がないと思い込むとき、まわりの人の心は離れていく
57.形だけの言葉よりも、小さなエゴの叫びこそ、無言のメッセージとして伝わる
62.自分の非や欠点を受け容れてくれる相手や周りの人々に感謝することが出来るならば、そこには、素晴らしい人間が生まれてくる
66.人間関係においては、表情や眼差し、仕草や身振り、態度や雰囲気などの「言葉以外のメッセージ」が言葉以上に多くのことを伝えるために、ただ心の中で自分の非を認めるだけで、それが相手に伝わり、人間関係が好転していく
76.けして不自然に「表情を作る」必要はなく、心の置き所をただせば、表情や眼差しからメッセージは伝わる
108.千人の頭となる人物は、千人に頭を垂れることが出来なければならぬ
112.心の中で、すべてを自分自身の責任として引き受けること
113.我々が、その心の姿勢を大切にして人生の問題に処していくならば、確実に一人の職業人として、一人の人間として成長できる
166.愛情とは関係を絶たぬこと
168.「愛情」の反意語は「無関心」である
199.「不幸な出会い」と思えるものにも、必ず深い意味がある。自分が一人の人間として成長するための、大切な体験を与えてくれる。そして、その真実に気がついたとき、我々の人生の「風景」が変わる
202.「人生の解釈力」とは、人生で起こった出来事や人生で与えられた出会いの「意味」を解釈する力のことである
203.「卒業しない試験」は追いかけてくる
212.人生の解釈力を身につけ、磨くとは、心の中で「人生の物語」を生み出す力を磨くこと
216.我々は、誰もがその「一瞬の人生」を駆け抜けていく。人生における人との出会いとは、実は「一瞬の人生」と「一瞬の人生」が交わる、「奇跡の一瞬」
219.有り難いとは、「在り・難い」こと、「起こり・難い」こと。それはまさに「奇跡」と呼ぶべき出会いに他ならない
226.「人間を磨く」とは、「小さなエゴ」を捨てることでも、消すことでもない。「人間を磨く」とは、自分の心の中の「小さなエゴ」の動きが見えるようになることであり、「小さなエゴ」の否定的な動きや破壊的な動きを沈めていくことができるようになることである
 
人は、自分の非を認めず、欠点を認めず、自分には日がない、欠点がないと思い込むとき、まわりの人の心は離れていく。「人生の解釈力」とは、人生で起こった出来事や人生で与えられた出会いの「意味」を解釈する力のことである。「人間を磨く」とは、自分の心の中の「小さなエゴ」の動きが見えるようになることであり、「小さなエゴ」の否定的な動きや破壊的な動きを沈めていくことができるようになることである
 

 

人間を磨く 人間関係が好転する「こころの技法」 (光文社新書)

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