「超」文章法 (中公新書)


文章を書くには様々な方法があり、黄金律があるわけではない。パソコンやインターネットが普及した現代においては、その機能を活かすことにより、深く考えて文章を書く時間が取れるようになった。また、何度でも編集できるデジタル機器は、始めるという最も困難なハードルを下げた。「書き始めなければ終わらない。」自明のことだが実践は難しい。書き始めれば「現役」でいることができ、潜在意識も活用しながら、自動的に仕事は進んでいく。文章を書く上でのポイントをあげるとすれば、、主語、述語関係をはっきりさせて文章を書いていく。修飾語や副詞の位置、名詞にいたっても適切な意味として自分自身が捉えているかを常に自問していく必要がある。書いた文章を削ることを恐れてはいけない。その心理的障害を下げるのにもパソコンは有用だ。一昔前では考えられないような恩恵を受ける権利はだれにでもあるので、積極的に活用しよう

5.本をかくことの最大のメリットは、書いている途中で発見があることだ
11.学術的な論文が成功するか否かは、9割以上、適切なメッセージを見いだせたかどうかで決まる
36.比較優位を活用せよ 自分の得意分野を活用する
39.メッセージを見つけるためには「考え抜く」しか方法はない。できることは、「考え抜くための環境」を準備することだ
45.わけの分からぬ文章は、高級な文章ではない。殆どの場合、読むには値しない文章なのだ
47.老けただけなのに「偉くなった」と勘違いしたことはなかったか。他人を批判する前に自分自身を見なおさねばならない
52.適切なメッセージは一言で言える。見たまま感じたままではメッセージにはならない。ピントを合わせる必要がある
63.故郷を出て旅を経験し、そして故郷に戻った時、主人公の中で何が変わるだろう。それと同じように、文章を読む前と後で、読者の中で何かが変わらなければならない。
65.「一つは二つ」一見均一に見えるものが、もっと複雑であることを見出すこと。一つと思われてきたものが、二つの面を持つことの発見である。
68.「二つは一つ」異なると思われているものが、実はひとつの理論で説明できること
82.冒険物語(1)故郷を離れてたびにでる(2)仲間が加わる(3)敵が現れる(4)敵との間で最終戦争が行われる(5)故郷へ帰還する
論述文の骨組みは(1)日常生活から離れて論述を「面白く、ためになる」ものをするため(2)主張を補強するため(3)主張したい概念の性格を明確化するため(4)主張と反対論のどちらが正しいかを示すため(5)一般論を現実に応用するため
88.文章の書き方を練習するのであれば、1500字と15000字の文章をそれぞれどう書くかを練習するべきである
90.パラグラフ(150字)内での論理の逆転は避ける。パラグラフが150字より大幅に長くなると読みにくくなる。短いのはかまわない
99.ドラマチックに始め、印象深く終えよ
106.アリバイ文 最初に言い訳しない
179.わかりにく文章の具体的な症状は様々だが、それらの多くに共通する要素は、「部分と全体の関係が明瞭ではない」ことだ
184.世界は複雑であり、人間の持ち時間は少ない。「この世にはいろいろなことがある」といわれても、同しようもない。すべてをカバーしようとする人は、結局何もカバーできない。「選択と集中」こそ重要である
199.タイトルは、読者に訴えるための最初の、しかも重要な手段だ
206.同一表現を避ける。「きわめて」「非常に」「じつに」「大変」
229.始めなければ進まない。ニュートンの運動第一法則、どんなことについても、イナーシャ(慣性)の克服こそが重要なのである
231.新しい発想は「考え続けることによって生まれる」始めれば潜在意識も活用することが出来る。時間に二つの意味をもたせることが出来る
232.現役効果、仕事を開始し、その仕事に現役になっていれば、外界からの刺激に対する反応の度合いが強くなる
237.修正作業は、こま切れ時間を使って行うことも出来る。プリントアウトした草稿を持ち歩いて、空き時間に見直す
250.始めることの大切な点は「現役効果」と「自動進行効果」だ。

「超」文章法 (中公新書)

「超」文章法 (中公新書)